アルファロメオP2・レーシングカー

2017.10.11

革製のボンネット帯金、細かい網目のラジエーターグリル、実際に開けることのできる燃料口のキャップなど、非常によく再現されています。このゼンマイ仕掛けのおもちゃは広く輸出され、ヨーロッパの多くの国の子供たちに大変な人気がありました。

1924年にアルファロメオP2はグランプリシーンにデビューするや、破竹の快進撃を続けました。開発途中で不慮の事故によってストップせざるをえなかったP1の憂いさを晴らすが如く、P2は1920年代半ばのヨーロッパのグランプリシーンを席巻します。当然P2は、そのころの子供たちの憧れだったことでしょう。

ただ、このP2のおもちゃは、少しばかり当時としても高級品だったそうです。ボンネットをとめる帯金やシートには革をあしらい、スポークもしっかりしています。金属パーツのフェエルリッドやメッシュのラジエーターグリルも再現され今でいうスケールモデル通じるものがあります。

ところが、たった一つだけ妙なまちがいがあるのです。それはボンネットのマークです。クアドリフォリオ(四つ葉のクローバー)のはずが三つ葉だったりします。あまりに強すぎるP2に「あんまり幸運を独り占めするなよ」というモデラーの悪意、いや洒落なのかもしれないですね・・・。ボディ右側のストッパーレバーを解除すると走り出します。駆動はゼンマイで、リーフスプリングのサスペンションや80年ほど経てもほとんどくたびれていない塗装などからも高級品だったことがうかがえます。

スタッフN